近年、販売されている動画コンテンツを無断で公開し、無料で視聴させる違法サイトが依然として増加傾向にあります。
かつては映画やテレビ番組、音楽などを無料で視聴できるサイトが横行していましたが、近年では「プライムビデオ」や「U-NEXT」など、正規の許可を得た動画配信サービスの普及により、一般的な違法サイトは徐々に減少してきています。
しかし、アダルトビデオ(AV)業界ではまだ多くの課題が残されています。
商業AVにおいては「FANZA」や「DMM」など、正規販売サイトの整備が進んでいる一方で、依然として多くの作品が違法サイトに転載されてしまっています。
これにより、DMCA申請などの対応が日々増加し、販売者は「販売後の対応」に多大な時間と労力を費やさざるを得ない状況です。
特に同人AVに関しては、違法サイトでも「1つのカテゴリ」として扱われるようになっており、被害が深刻です。
さらに、無修正を含む海外向け商品については、国際的な対応が難しいことや、販売者の身元が晒されるリスク、あるいは訴訟が難しい内容であることから、対応を見送らざるを得ないケースもあります。
一部では「反論されにくい商品」だと見なされ、違法転載しても安全だと誤解されている可能性もあります。
また、転載による広告収入を目的としているため、一度転載された作品は系列の姉妹サイトなどに次々と拡散されてしまいます。
中には、作品を販売した翌日にはすでに転載されているケースも確認されています。
このまま放置すれば、違法転載がもたらすリスクはますます深刻化する恐れがあります。
末端の転載サイトに個別対応するのではなく、転載の仕組みや流通プロセスそのものを早い段階で解析・対策する必要がある時代に突入しているのかもしれません。